税理士は「財務の先生」ではなく「税務のプロ」——ここを勘違いすると危ない

「税理士の先生と相談します」
金融機関時代から、経営者の方と数字の話をすると、この言葉を本当によく聞きました。

もちろん、相談するのは良いことです。
ただし、ここだけは押さえておいてほしい。

税理士の先生の専門は“税務”であって、“財務”とは別物です。


税理士は「税務のプロフェッショナルとしての法律家」

税理士資格の試験は、簿記論・財務諸表論もあります。
でも中心は、所得税法・法人税法・消費税法・相続税法などの税法です。

私も相続税法を勉強していますが、テキストの冒頭にこうありました。

「税務のプロフェッショナルとしての法律家」

この一文は、税理士という仕事の輪郭をすごく端的に表しています。


「顧問税理士=財務もできる前提」はリスクになる

誤解がないように言うと、
税理士の先生が全員、財務ができないと言いたいわけではありません。

でも、経営者側が
“顧問税理士だから財務も当然わかるはず”
と置いてしまうのは、設計として危ない。

もし税理士の先生が全員、財務に強いなら、
日本の7割の中小企業が赤字になどなりません。

私が社会課題化していると感じている
**「経常運転資金の約定返済調達の偏調」**も、起きていないはずです。


士業に頼るべき領域と、経営者が担うべき領域は違う

税務や労務は法律に基づくので、制度改正もあります。
だからこそ、士業に頼る意味があります。

一方で、
計画・資金調達・利益管理は、経営者の仕事です。

知り合いの税理士からも、よくこう聞きます。

「資金調達の相談をされても、プロじゃないから困る」

税理士の先生が悪いわけではなく、
役割が違うだけです。


「お金は税理士に丸投げ」では、金融機関の信用は取れない

金融機関が見ているのは、
「この会社はお金の舵取りを誰が、どうやってやっているか」です。

丸投げ状態だと、少なくとも信用は取りづらい。

そして安心してほしいのは、
財務に必要な計算は、基本的に四則演算レベルです。

苦手意識があっても大丈夫。
会社を持続させるために、少しずつ体得していきましょう。

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