リファイナンスは「借入期間を伸ばすこと」じゃない。核心は“返済キャッシュフロー”にある
最近「FB見てます」と言ってもらえることが増えてきました。
今日お邪魔した企業さんも見てくれているそうで、嬉しい限り。
そこで今日は、現場でよく誤解されやすいテーマ。
**リファイナンス(資金調達の組替)**について書きます。
結論:リファイナンスの根幹は「返済キャッシュフローの範囲に年間返済額を収めること」
リファイナンスというと、
「借入をまとめて返済期間を伸ばして、月々の返済を下げる」
という話が多いです。
もちろん、それで“収まる”なら早くやった方がいい。
でも、それだけだと根本治療にならないことが多い。
なぜなら、やっていることは結局、
長期借入(毎月返す借入)を長くしただけ
だからです。
背景:資金繰り改善は3つのアプローチに分かれる
資金繰り改善のアプローチは大きく3つ。
- 利益改善
- 経常運転資金の削減
- 資金調達構造の組替(=今日のテーマ)
今日は③の話。
具体:借入を「3つのブロック」で見ると景色が変わる
借入(デッドファイナンス)は、ざっくり3ブロックで見ます。
- 短期借入(a):短い期間で回すお金
- 長期借入(b):毎月返す前提の借入
- 資本性ローン(c):返済が資本に近い性質の借入
中小企業さんに多いのは、b)長期借入が8〜9割という構成。
この偏りが、資金繰りを苦しめる根っこになっていることがあります。
「お金は毎月返すもの」という刷り込みも、影響しているかもしれません。
(ドラマだと取り立て、毎月来ますからね。)
よくある誤解:借換=リファイナンス、ではない
資金繰りが厳しくなると、金融機関から借換提案が出ることがあります。
例)
「3本を1本にして7年に伸ばしましょう。
真水300万円が出て、毎月返済は50万円減ります」
これをリファイナンスと呼ぶ人もいます。
でも僕は、“収まらない”なら焼け石に水だと思っています。
ポイントはここ。
- 返済期間を延ばして返済負担を軽くしただけ
- 会社全体で見ると「長期借入で調達している構造」は変わっていない
- 結果として、返済キャッシュフローを超える返済が続くなら課題は残る
この状態の延長線上に出てくるのが、
元金返済の猶予(いわゆるリスケ)です。
これも「月々の返済を下げる/止める」施策なので、
構造としてはb)長期借入のまま、というケースが多い。
じゃあ何が「本当のリファイナンス」なのか
結論に戻ります。
本当のリファイナンスは、a)短期/b)長期/c)資本性 の割合を組み替えること。
b)長期借入の中身だけ見直すのではなく、
3ブロック全体のバランスを変えるという発想です。
ただ、このa)とc)まで踏み込んだ提案をしてくる金融マンはレア。
ほとんどはb)長期だけの話になります。
「金融機関ちゃんとしろ!」と言いたくなる気持ちも分かります。
でも、単純に“怠慢”とも言い切れない構造があります。
なぜ踏み込めないのか:必要なのは「管理体制」と「計画」
- a)短期を“恒常的に借りて維持する”には、財務の管理体制が必要
→ そのために利益計画が必要になる - c)資本性ローンを目指すなら、利益計画だけでなく事業計画が必要になる
これが中小企業さんには無いことが多い。
だから金融機関も、提案したくてもできない。貸したくても貸せない。
財務の管理体制が無いことが、
間接的に「毎月返す借入しか選べない状況」を作っていることもあります。
最後に:まず1分でやるなら、この2つ
押し売りをしたいわけではなくて、
今日の話を“自社を振り返るきっかけ”にしてほしい。
車は急に止まれない。
財務も急には治らない。
信用も、積み上げは時間がかかるのに崩れるのは一瞬。
財務も同じです。
だからこそ、まずはこの2つだけ。
- 返済キャッシュフローと年間返済額を比べる
- いくら返済額が減れば、返済キャッシュフローの範囲に収まるか考える
ここが見えると、次の打ち手の精度が上がります。

